基板の特性インピーダンス 50Ω/100Ω の設計根拠とTDR測定

概要

株式会社フォスターでは、高速信号基板のTDR(時間領域反射率)測定・断面解析を実施しており、特性インピーダンスの設計値と実測値の乖離評価をサポートしています。

特性インピーダンスは高速信号伝送においてリフレクション(反射)を防ぎ信号品質を確保するための最重要設計パラメータです。シングルエンド信号には50Ω、差動信号には100Ωが標準として使われます。この値はPCBの線路幅・基材厚・誘電率で決まり、製造公差の管理が信号品質に直結します。

50Ωと100Ωが標準となる理由

50Ωは送電効率(最大電力転送)と絶縁破壊耐性のバランスから同軸ケーブル時代に規格化された値で、RF・デジタル高速伝送に標準的に使われます。100Ω(差動)は差動ペアの各線路が50Ωとなるため自然に成立します。ただし自動車CAN・LINでは120Ω、イーサネット(UTP)では100Ωの終端が規格されています。

インターフェース特性インピーダンス終端抵抗主な用途
RF・高周波50Ω(シングル)50Ωアンテナ・RF回路
USB 3.x・PCIe90Ω差動45Ω×2(終端)高速データ転送
LVDS・SERDES100Ω差動100Ω(並列)車載カメラ・ADAS
Ethernet(車載)100Ω差動100Ω100BASE-T1・1000BASE-T1
CAN120Ω差動120Ω車載CAN・CAN FD

TDR測定の原理と評価方法

TDR(Time Domain Reflectometry)は短立ち上がりの電圧パルスを伝送線路に入力し、インピーダンス不連続点からの反射波の時間・大きさから伝送線路の特性インピーダンス分布を測定します。設計値±10%(IPC-2141標準)以内であることを製造後に確認します。


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よくある質問

特性インピーダンスが設計値からずれる原因は?

銅箔エッチング量のばらつき(線路幅変動)・基材厚のばらつき・誘電率ロット差・はんだマスク厚の変動が主原因です。IPC-2141では±10%の許容値が標準です。

TDRで何ns以内の測定が必要か?

PCB上の信号速度は誘電率によって異なりますが約170mm/nsです。10mmの分解能が必要な場合、約60psの時間分解能が必要です。サンプリングオシロとTDRモジュールで測定します。

インピーダンス整合が悪いとどうなるか?

インピーダンス不連続点で信号が反射(リフレクション)し、受信側での波形品質(アイパターン)が劣化します。高速(Gbps以上)では動作不良の直接原因になります。

差動インピーダンスとシングルエンドインピーダンスの関係は?

理論上、差動インピーダンスZdiff = 2×シングルエンドインピーダンスZ0(無相互結合の場合)です。実際は隣接線路間の相互結合により若干異なります。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。