概要
ワイヤーハーネスは自動車内の電気信号・電力を伝送するための部品群を束ねたアッセンブリです。株式会社フォスターでは、ハーネスを構成する各部品(コネクタ・端子・圧着部・電線)の品質評価試験を幅広く受託しています。
一本のワイヤーハーネスは、電線(導体+絶縁被覆)・圧着端子・コネクタ・外装材(コルゲートチューブ・テープ・グロメット)から構成されます。各部品の選定と組み合わせが、ハーネスの電気的性能・耐久性・作業性を決定します。
電線(被覆電線)の役割と種類
電線は電気を伝達するための基本部材であり、銅撚り線(導体)と絶縁被覆で構成されます。自動車用電線はJASO D 608(薄肉電線AV・AVS)やISO 6722などの規格で規定されており、断面積(0.13〜6.0mm²)・耐熱温度(60〜150℃)・被覆材料(PVC・PE・架橋PE・フッ素樹脂)などの仕様で選定します。
近年の車両軽量化ニーズに伴い、細径・薄肉電線(AVSSなど)の採用が進んでいます。また電気自動車(BEV)の高電圧大電流回路では高圧電線(JASO D 609)が使用され、シールド構造や高い耐熱性が要求されます。
圧着端子とコネクタの役割
圧着端子(クリンプ端子)は電線の末端に取り付けられ、コネクタハウジングに挿入されることで相手側部品との電気的接続点を形成します。端子材料は銅または黄銅(真鍮)ベースに錫めっき・金めっき・銀めっきが施され、接触信頼性と耐食性を確保します。端子の接触部形状(メスのタブ受け形状・オスのタブ形状)がコネクタの電気的特性を決定します。
コネクタハウジングは電線同士または電子部品との接続部位を保護する樹脂製の外殻であり、PBT(ポリブチレンテレフタレート)・PA66(ナイロン66)・PP(ポリプロピレン)などのエンジニアリングプラスチックで製造されます。端子の誤挿入防止(端子位置保証・CPA機構)や防水構造(防水ゴム栓・シリコンジェル)もコネクタ設計の重要要素です。
| 部品 | 主な機能 | 代表的な材料・規格 |
|---|---|---|
| 電線(導体) | 電気信号・電力の伝送 | 軟銅撚り線(JIS C 3102) |
| 絶縁被覆 | 導体の絶縁・保護 | PVC・PE・架橋PE・フッ素樹脂 |
| 圧着端子 | 電気的接続点の形成 | 黄銅・リン青銅(錫/金めっき) |
| コネクタハウジング | 端子の保護・接続ガイド | PBT・PA66・PP |
| コルゲートチューブ | 電線束の外傷保護 | PP・PA(難燃グレード) |
| グロメット | 防水・振動吸収 | EPDM・シリコーンゴム |
| 粘着テープ・スパイラルチューブ | 電線束の結束・保護 | PVC・PET不織布 |
外装材(コルゲートチューブ・グロメット等)の役割
コルゲートチューブ(蛇腹チューブ)は電線束を束ねて外傷・熱から保護するための外装材であり、可撓性(フレキシブル性)と機械的保護機能を両立します。難燃グレードが要求される箇所(エンジンルーム・ダッシュボード周辺)では難燃性コルゲートチューブ(UL94 V-0相当)が使用されます。
グロメット(ゴム栓)はハーネスが車体パネルを貫通する部位に設置され、防水・防塵と振動吸収の機能を担います。材料はEPDM(エチレンプロピレンゴム)またはシリコーンゴムが一般的で、貫通部の形状に合わせた専用品が設計されます。フォスターでは、グロメット部を含む防水ハーネスの防水性試験(IP試験)にも対応しています。
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よくある質問
ワイヤーハーネスとケーブルアッセンブリの違いは何ですか?
ワイヤーハーネス(Wire Harness)は複数の電線・端子・コネクタ・外装材を一体に束ねた車載専用の部品アッセンブリです。ケーブルアッセンブリ(Cable Assembly)は一般的に特定の接続用途向けに端子・コネクタを取り付けた単線または多芯ケーブルを指し、厳密な区別はありませんが用語の使われ方が異なる場合があります。
ハーネスの端子にめっきが必要な理由は何ですか?
銅合金製端子は大気中で酸化・硫化し接触抵抗が上昇するため、錫・金・銀などのめっきで表面を保護します。錫めっきはコスト面で優れ一般用途に広く使用されます。金めっきは接触信頼性が最も高く低電流信号回路・高信頼性用途に使用されます。
コルゲートチューブの難燃性はどのように確認しますか?
燃焼試験(UL94・FMVSS302など)によって評価されます。V-0グレードは10秒以内に自己消火する規格です。フォスターでは難燃性試験には対応していませんが、コネクタ・端子の関連試験(腐食ガス試験・温湿度サイクル試験)はご依頼いただけます。
グロメットの防水性はどうやって確認しますか?
防水性はIP(Ingress Protection)等級試験で確認します。自動車用途では多くの場合IP67(短時間水没)またはIP68(連続水没)が要求されます。フォスターではIPコードに準拠した防水性試験を受託しており、グロメット部を含むハーネスアッセンブリの評価が可能です。
株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。
