手はんだ付けの適正温度と熱容量|はんだ不良を防ぐ条件

概要

株式会社フォスターでは、コネクタの手はんだ部品の接合品質評価・断面解析を実施しており、はんだ不良の原因特定と対策立案をサポートしています。

手はんだ付けは試作・修理・スルーホール部品の実装に不可欠な技術ですが、コテ先温度・加熱時間・フラックスの選択が不適切だとはんだ濡れ不良・ブリッジ・ツノ(スパイク)・ドライジョイントなどの不良が発生します。特に鉛フリーはんだ(SAC305)は溶融温度が高く、正確な条件管理が必要です。

手はんだの適正条件と鉛フリーの注意点

SAC305(鉛フリー)の融点は217℃であり、コテ先設定温度は320〜380℃が一般的です(コテ先〜被加熱部での温度降下を考慮)。加熱時間はランドと部品リードの熱容量によりますが、一般的に2〜5秒以内が目安です。

はんだ種類融点コテ先推奨温度最大加熱時間目安注意点
SAC305(鉛フリー標準)217℃320〜380℃3〜5秒温度が高めで熱ダメージ注意
Sn60Pb40(共晶近傍)約183〜190℃270〜320℃2〜4秒有鉛品・RoHS非対応
低銀SAC(SAC105)約217〜225℃320〜380℃3〜5秒SAC305代替・低コスト
低温はんだ(Bi系)138〜160℃200〜260℃2〜4秒耐熱要求が低い場合

はんだ不良の種類と防止策

ドライジョイント(コールドジョイント)は加熱不足で発生し、接合部が白濁・凸凹になります。フラックスの焼け残りや過熱によるランド剥離もはんだ不良の典型例です。コテ先の定期的な清掃・錫盛り(ティニング)で熱伝達効率を維持することが品質管理の基本です。


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よくある質問

コテ先温度が高すぎるとどうなるか?

PCBランドの剥離・はんだ内のフラックス急激揮発によるボイド形成・部品の熱ダメージ(特にコンデンサ・水晶振動子)が発生します。また銅箔の過剰溶解も起きます。

フラックス洗浄は必要か?

残留フラックスの種類によります。洗浄不要のNO-CLEANフラックスは水分・イオン性不純物が少なく絶縁信頼性が確保されています。ただし車載や高信頼性用途では洗浄を実施することが多いです。

適正なはんだ量の判断方法は?

スルーホール部品ではビア穴のはんだ充填率75%以上(IPC-A-610)、フィレット角度45〜135°が目安です。表面実装では部品端子全周にメニスカス(内凹み形状)のフィレットが形成されていることが良品の基準です。

鉛フリーはんだ作業で最も多い不具合は?

融点が高いSAC305は加熱不足になりやすく、コールドジョイントが最も多い不具合です。また融点範囲(217〜220℃)が狭く、温度が不均一だとツノ(スパイク)が残りやすいです。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。