概要
電線の太さを表すAWG(American Wire Gauge)は米国の電線規格であり、自動車部品や電子機器の電線仕様でよく使用されます。株式会社フォスターでは、電線・コネクタの高温放置試験や接触抵抗測定を通じて、電線選定の妥当性を裏付ける信頼性評価を提供しています。
AWGの数値が小さいほど電線が太く、許容電流が大きくなります。AWGとSq(mm²)の換算は設計業務で頻繁に必要となるため、換算式と早見表を理解しておくことが実務上重要です。
AWGとmm²(スケア)の換算
AWG(American Wire Gauge)は北米の電線径規格であり、AWGの数値が1増えるごとに断面積が約20.6%減少します。AWG数値nから断面積A(mm²)を求める換算式はA = 0.012668 × 92^((36-n)/19) [mm²]です。実務上は換算表を参照するのが一般的であり、よく使われるサイズの換算値を暗記しておくと便利です。
AWGと並んでIECや日本のJIS規格ではmm²(スケア)表記が使われます。自動車業界では部品の出所によってAWGとmm²が混在するため、設計・仕様書作成時に単位変換ミスが起きないよう注意が必要です。
| AWG | 断面積(mm²) | 外径概算(mm) | 許容電流目安(60℃絶縁・30℃周囲・空中) |
|---|---|---|---|
| AWG 28 | 0.08 | 0.48 | 0.8A |
| AWG 26 | 0.13 | 0.60 | 1.3A |
| AWG 24 | 0.20 | 0.75 | 2.1A |
| AWG 22 | 0.33 | 0.95 | 3.0A |
| AWG 20 | 0.52 | 1.20 | 4.6A |
| AWG 18 | 0.82 | 1.50 | 7.0A |
| AWG 16 | 1.31 | 1.90 | 10A |
| AWG 14 | 2.08 | 2.35 | 15A |
| AWG 12 | 3.31 | 2.95 | 20A |
| AWG 10 | 5.26 | 3.70 | 28A |
許容電流を決める要因と設計上の考慮点
電線の許容電流は、導体抵抗(断面積に反比例)・絶縁被覆の耐熱温度・周囲温度・布設条件(空中・束線・管路内)の組み合わせで決まります。使用温度が高い環境では温度補正係数を乗じて許容電流を低減する必要があります。一般的な自動車用電線(60℃絶縁、周囲温度30℃)の許容電流は、85℃耐熱電線・周囲温度85℃では大幅に低下します。
また電線の抵抗は温度とともに増加するため、高温環境では同一断面積でも電圧降下が増大します。長距離配線(数メートル以上)では電圧降下を計算し、許容値(一般的に2〜5%以下)を超えないよう断面積を選定することが重要です。フォスターの高温放置試験では、高温環境での電気特性変化の評価も可能です。
電線選定における実践的なポイント
電線選定では、①最大電流値、②周囲温度(環境温度+自己発熱)、③束線本数、④配線長(電圧降下)、⑤曲げ特性(許容曲げ半径・屈曲寿命)の5項目を確認することが基本です。各項目を確認した上で、該当する電線メーカーの選定表(許容電流表・降下電圧表)と照合して断面積を選定します。
フォスターでは選定した電線・コネクタ組み合わせの接触抵抗測定および高温放置試験を通じて、実際の使用環境での電気的信頼性を評価します。設計値と実測値の差異が大きい場合の原因調査にも対応できますので、ご相談ください。
- 最大通電電流値を確認し、許容電流の80%以下で設計する
- 束線条件に応じた補正係数(束線係数)を許容電流に乗じる
- 周囲温度に応じた温度補正係数を適用する
- 配線長と電流値から電圧降下を計算し許容値内に収める
- 屈曲部位には許容曲げ半径以上のルーティングを確保する
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よくある質問
AWG22はどのくらいの電流まで流せますか?
AWG22は断面積約0.33mm²であり、空中配線・周囲温度30℃・60℃絶縁の条件で概ね3A程度が許容電流の目安です。ただし束線・高温環境では大幅に低下します。正確な値は電線仕様書の許容電流表で確認してください。
AWGとSqはどちらを使えばよいですか?
日本国内向けの設計・調達ではmm²(SQ)表記が標準です。米国・欧州製品との接続やUSCARなど北米規格に準拠した部品ではAWG表記が使われます。設計図面・仕様書では両方の表記を明記することで誤解を防げます。
電線が長くなると許容電流は変わりますか?
許容電流自体は変わりませんが、電線が長いほど電圧降下(V=I×R×L)が大きくなります。許容電流を基準に選定した断面積でも、長距離配線では電圧降下が許容値を超える場合があるため、電圧降下計算を行い必要に応じて太い電線を選定します。
フォスターで電線の高温試験を依頼する際の試料長さはどのくらいが必要ですか?
試験条件によって異なりますが、高温放置試験の場合は通常200〜500mm程度のサンプルを数本ご提供いただければ対応可能です。試験後に接触抵抗測定や引張試験を合わせて実施する場合は、追加の長さが必要な場合があります。ご相談の上で必要本数・長さをご案内します。
株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。
