公開日: 2026年5月27日 / 最終更新日: 2026年8月24日
接触抵抗測定(低電圧低電流抵抗・電圧降下測定)
接触抵抗測定とは、コネクタの接点部に低電圧・低電流または規定電流を印加し、接触抵抗値や電圧降下を測定して導通性能を評価する試験です。
コネクタの接触抵抗が高くなると、電圧降下や発熱、信号品質の低下などの原因となります。そのため、自動車用コネクタや電子部品では、接触抵抗は重要な電気特性評価項目の一つです。
株式会社フォスターでは、自動車用コネクタ・ワイヤーハーネス・端子を対象とした各種信頼性評価試験を実施しています。
極性反転法、4端子法(ケルビン法)、2端子法など、測定対象や試験条件に応じた測定方式に対応し、初期特性の確認から環境・耐久試験後の評価まで実施しています。
接触抵抗測定の目的
接触抵抗測定では、端子接点部の導通性能や接触状態を確認します。主な目的は以下のとおりです。
- 接点の導通性能確認
- 接触抵抗値の評価
- 通電時の電圧降下の確認
- 環境・耐久試験による抵抗変化の確認
- 材料・めっき・端子形状などの仕様比較
- 設計変更前後の比較評価
特に自動車用コネクタでは、初期状態の抵抗値だけでなく、振動、温度変化、腐食、挿抜などの耐久試験によって接触抵抗がどのように変化するかを確認することが重要です。
評価項目
接触抵抗測定では、抵抗値だけでなく、接点の状態や試験前後の変化も確認します。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 接触抵抗値 | 接点部の抵抗値を測定 |
| 電圧降下 | 規定電流を流した際の接点部の電圧低下を確認 |
| 抵抗値のばらつき | 端子ごとの抵抗値や変動を確認 |
| 接触安定性 | 振動・挿抜・環境試験などによる抵抗変化を確認 |
| 外観確認 | 摩耗、変色、腐食、異物付着などを確認 |
試験方法
コネクタを規定の状態で嵌合し、端子間に規定の低電圧・低電流または規定電流を印加して、接触抵抗または電圧降下を測定します。
接触抵抗のような非常に小さな抵抗値を測定する場合、測定対象の抵抗だけでなく、測定リードや接続部の抵抗、熱起電力などが測定結果に影響することがあります。
そのため、試験規格や測定対象、要求精度などに応じて、適切な測定方式を選択します。



測定結果の最終的なまとめ方や報告書のフォーマットについても、お客様のご指定に沿って対応可能です。
規定の報告書様式やデータ形式、評価項目など、ご要望がございましたらお気軽にご相談ください。
2端子法・4端子法・極性反転法
株式会社フォスターでは、2端子法、4端子法(ケルビン法)、極性反転法による測定に対応しています。
それぞれ測定上の特徴が異なるため、対象となる抵抗値や要求される測定精度に応じて使い分けます。
| 測定方式 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 2端子法 | 電流の供給と電圧測定を同じ端子で行う | 一般的な抵抗測定、比較評価など |
| 4端子法 (ケルビン法) | 電流供給用と電圧測定用を分離し、測定リードなどの抵抗による影響を抑える | 低抵抗の接触抵抗測定、高精度評価 |
| 極性反転法 | 測定電流の極性を反転させて測定し、熱起電力などの影響を低減 | 微小な抵抗値をより正確に測定する評価 |
測定対象、規格、抵抗値、要求精度などに応じて適切な測定方式を選択することが重要です。
フォスターでは、これらの測定方式を使い分け、コネクタ・端子の接触抵抗評価に対応しています。
測定条件の例
お客様の仕様や適用規格に応じて、測定電圧・電流などの条件を設定します。
| 測定条件例 | 開放電圧 | 短絡電流 |
|---|---|---|
| 低電圧・低電流測定 | 20±5 mV | 10±0.5 mA |
| 電圧降下測定 | 12±1 V | 1±0.05 A |
※上記は測定条件の一例です。実際の試験では、対象製品の仕様、適用規格、お客様指定条件などに基づいて設定します。
耐久試験前後の接触抵抗評価
接触抵抗測定は、単独の初期特性評価だけでなく、各種耐久試験・環境試験の前後評価として実施されることが多い試験です。
コネクタでは、信頼性試験によって接点の摩耗、腐食、接圧低下、フレッティングなどが発生すると、接触抵抗が変化する場合があります。
そのため、試験前後の抵抗値を比較することで、接点の電気的な劣化状態を確認できます。
主な評価例は以下のとおりです。
また、接触抵抗測定は各種耐久試験のシーケンスに組み込まれる基本的な電気特性評価の一つです。
耐久試験中の接触抵抗モニタリング
接触抵抗は、試験終了後に測定するだけでなく、耐久試験中に連続的にモニタリングすることも重要です。
例えば振動試験では、端子接点に微小な相対変位が発生することで、一時的な抵抗上昇や瞬断が発生する場合があります。
試験中の抵抗値を監視することで、通常の試験後測定だけでは把握しにくい接触状態の変化を確認できます。
| モニタリング状況 | 確認できる現象 |
|---|---|
| 抵抗値が徐々に上昇 | 摩耗・腐食などによる接点劣化 |
| 抵抗値が繰り返し変動 | 振動などによる接触状態の変化 |
| 一時的な抵抗上昇 | 微摺動などによる接触不安定 |
| 急激な抵抗変化 | 接触不良や瞬断など |
特にフレッティングなどの接触信頼性評価では、試験中の抵抗変化を捉えることが重要です。
接触抵抗に影響する主な要因
接触抵抗は、端子の接触状態だけでなく、材料、表面状態、温度、振動などの影響を受けます。
| 要因 | 影響 |
|---|---|
| 接触圧 | 接点同士の接触状態を左右する主要因 |
| 接点めっき | Au、Ag、Snなどの材質やめっき仕様が接触特性に影響 |
| 接点摩耗 | 接点表面の状態変化により抵抗が上昇する場合がある |
| 腐食 | 酸化物や腐食生成物によって導通状態が悪化する場合がある |
| 振動 | 微摺動によるフレッティングを促進する場合がある |
| 温度 | 端子材料や接点の電気抵抗に影響 |
| 汚れ・異物 | 接点間への付着により導通を阻害する場合がある |
| 端子変形 | 接触位置や接圧が変化する |
| 圧着状態 | 電線と端子の接続部の抵抗に影響 |
抵抗値が上昇した場合の原因調査
測定した接触抵抗が規定値を超えた場合や、試験中に抵抗値が大きく変動した場合には、抵抗値だけでなく接点や端子の状態を確認することが重要です。例えば、以下のような原因が考えられます。
- 接触圧不足
- 端子の変形
- めっきの摩耗・劣化
- 酸化・腐食
- フレッティングコロージョン
- 異物・汚染
- 圧着不良
- 端子組付け状態の異常
必要に応じて、外観観察、顕微鏡観察、断面観察、SEM観察などを組み合わせて原因を調査します。
注意事項
測定温度による影響
耐久試験後に接触抵抗を測定する場合、試験温度の影響を考慮する必要があります。
試験槽から取り出した直後は、コネクタや端子が試験温度の影響を受けているため、室温条件で評価する場合には、製品が測定環境の温度に十分馴染んでから測定することが重要です。
例えば20~25℃程度の室温条件で測定する場合は、試験槽から取り出した後、製品が測定環境に十分馴染んだことを確認してから測定します。
規格・試験仕様
接触抵抗や電圧降下の測定は、自動車用コネクタに関する規格をはじめ、さまざまなコネクタ・電気部品の評価規格に試験方法や要求事項が規定されています。
株式会社フォスターでは、これらの規格に基づく接触抵抗・電圧降下測定に対応しており、特に自動車用コネクタの評価で使用される以下の規格を得意としています。
株式会社フォスターの接触抵抗測定サービス
自動車用コネクタ・ワイヤーハーネス・端子を中心に、低電圧低電流抵抗測定、接触抵抗測定、電圧降下測定を受託しています。2端子法、4端子法(ケルビン法)、極性反転法に対応し、測定対象や要求精度、試験規格に応じて適切な測定方法を選択します。
初期特性の確認だけでなく、振動、温度サイクル、熱衝撃、温湿度、腐食、挿抜耐久などの各種試験前後における接触抵抗の比較評価にも対応しています。また、耐久試験中の接触抵抗モニタリングや、抵抗値異常が発生した場合の外観観察・断面観察などを組み合わせ、接触不良や抵抗上昇の原因解析まで一貫してサポートします。
JASO、IECなどの規格やお客様仕様に対応し、試作品の設計検証から量産品の品質保証、不具合解析まで幅広く対応いたします。
接触抵抗測定、低電圧低電流抵抗測定、電圧降下測定をご検討の場合は、お気軽にご相談ください。
ご依頼から試験実施までの流れ
- お問い合わせ・ヒアリング
対象製品の仕様(極数、サイズ、ピッチなど)や、ご希望の試験規格(JASO D 616など)をお伺いします。 - 試験計画のご提案・お見積り
必要な治具(ジグ)の手配や、スケジュールを含めた最適な試験プランをご提示します。 - 試験実施
20年以上の実績を持つ専門スタッフが、正確な条件で試験を執り行います。 - データ集計・レポート納品
測定データ、グラフ、外観写真などをまとめた試験報告書を速やかに納品いたします。ご希望のフォーマットがあれば、お送りください。そちらに合わせ作成いたします
リードタイム
即日実施可能です
Q&A
Q1. 車載コネクタの測定で、なぜ試験「直後」に測ってはいけないのですか?
A1.温度によって金属の抵抗値が変わり、正しい判定ができないためです。
金属には温度が上がると抵抗値が高くなる性質(温度係数)があります。高温試験や冷熱サイクル試験の直後、製品がまだ熱い(または冷たい)状態で測定すると、正確なデータが取れません。試験槽から取り出した後は、必ず室温(20℃〜25℃)に完全に馴染ませてから測定を行ってください。
Q2. 合否判定の基準(規格)はどのように考えればよいですか?
A2. 新品時の「初期値」だけでなく、試験前後の「変化量(ΔR)」で判定するのが一般的です。
車載部品などの厳しい規格(JASOやUSCARなど)では、初期値が数mΩ以下で合格なのはもちろんのこと、耐久試験(振動や熱衝撃など)を行った後に「抵抗値がどれだけ増えたか(例:初期値+10mΩ以内など)」という変化量(ΔR)を重視して合否を判定します [JASO D616]。
Q3. 測定値が安定せず、数値がふらつく原因は何ですか?
A3. 主に「手の振動」や「接触位置のズレ」、または「環境ノイズ」が原因です。
手でプローブ(針)を端子に押し付ける力が変わると、接触圧が変わって抵抗値が変動します。また、端子を挟む位置がミリ単位でズレるだけでも、金属自体の抵抗(バルク抵抗)が加算されて数値が変わります。測定値を安定させるには、コネクタやプローブを専用の治具(ジグ)でしっかりと固定して測定することが推奨されます。
料金体系
- 基本料金 :1000円~(税抜き) (作業実施のみ)
- 報告書、データが必要な場合は、別途ご相談ください
- 治具制作はオプションとなります。別途、期間も必要な為、ご相談ください
抵抗測定に関するご相談・お見積りはこちら
「急ぎで不具合の原因調査を行いたい」「治具の作製から丸投げしたい」など、柔軟に対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
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よくある質問(FAQ)
Q. この試験の費用はいくらですか?
費用はサンプルの種類・数量・試験条件によって異なります。詳細はお問い合わせフォームまたはお電話にてお気軽にご相談ください。
Q. 試験の所要時間はどのくらいですか?
試験内容やサンプルの状態によって異なります。お見積り時に目安の納期をご案内いたします。
Q. どのような規格に対応していますか?
JIS規格をはじめ、IEC・MIL等の各種規格に対応しています。ご依頼時に対応規格をお知らせください。
Q. 試験結果はどのような形式で受け取れますか?
試験成績書(レポート)として発行いたします。必要に応じてPDFまたは紙での納品が可能です。
Q. 依頼方法を教えてください。
当サイトのお問い合わせフォームまたはお電話(平日9:00〜17:00)にてご相談ください。サンプル送付先や詳細な試験条件についてご案内いたします。
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株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは、自動車部品(コネクタ・ワイヤーハーネス・圧着端子)を中心とした受託試験・信頼性評価を行っております。 環境試験、電気特性試験、機械的特性試験、不具合解析など幅広い評価に対応し、お客様の開発・品質保証をサポートいたします。
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技術担当者が目的や条件を確認し、最適な試験方法をご提案いたします。


