公開日: 2026年5月28日 / 最終更新日: 2026年8月24日
試験条件の代表例(参考)
判定例:ΔT ○K 以下(製品規格による)
※一般的な代表例です。実際はお客様のご指定規格・条件に合わせて実施します。
温度上昇試験
温度上昇試験とは、コネクタに規定の電流を通電し、接点部や端子部の温度上昇を測定して、電流容量や発熱特性を評価する試験です。
コネクタは電流が流れることでジュール熱が発生し、接触抵抗や端子構造、電線サイズなどによって温度上昇量が変化します。温度が過度に上昇すると、樹脂ハウジングの変形や接点の劣化、絶縁性能の低下などにつながるため、定格電流で安全に使用できることを確認することが重要です。
株式会社フォスターでは、自動車用コネクタ・ワイヤーハーネス・端子を対象とした信頼性評価試験を実施しています。
本ページは、実際のコネクタ評価試験で培った知見をもとに、温度上昇試験の目的や試験方法、評価ポイントについて解説しています。試作品の設計検証から量産品の品質保証、不具合解析まで幅広く対応しています。
温度上昇試験の目的
温度上昇試験では、通電時の発熱特性や電流容量を評価します。
主な評価目的は以下のとおりです。
- 定格電流での温度上昇確認
- 接点部の発熱評価
- 電流容量(許容電流)の確認
- コネクタ設計の妥当性評価
- 材料・めっき仕様の比較評価
- 設計変更前後の比較評価
- 品質保証・量産管理
評価項目
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 温度上昇値 | 周囲温度との差(ΔT) |
| 接点温度 | 接点部の最高温度 |
| 端子温度 | 端子部の温度変化 |
| 電圧降下 | 通電中の電圧降下 |
| 接触抵抗 | 発熱要因となる接触抵抗 |
| 外観確認 | 試験後の変色・変形・溶融の有無 |
試験方法
コネクタを正常に嵌合し、規定サイズの電線を接続した状態で、定格電流または指定電流を一定時間通電します。
温度が安定した後、熱電対や温度データロガーなどを用いて、接点部や端子部、ハウジング部の温度を測定し、周囲温度との差(温度上昇値)を評価します。必要に応じて、
- 最大定格電流
- 定格電流の80%・100%・120%
- 複数極同時通電
- 周囲温度を変更した試験
- 長時間連続通電試験
など、お客様仕様に応じた試験条件にも対応しています。
【手順の全体像】
①初期温度確認 ➔ ②通電開始 ➔ ③データロガー監視 ➔ ④温度飽和の判定 ➔ ⑤通電停止・冷却確認

試験結果から分かること
温度上昇試験では、発熱特性や温度分布から、コネクタの電気的・機械的な問題点を把握できます。
例えば、以下のような異常を確認できます。
- 接触抵抗の増加
- 接点圧不足
- 端子の圧着不良
- 電線サイズの不適合
- めっき劣化
- 接点の酸化・腐食
- 樹脂ハウジングの変形
- 異常発熱による性能低下



温度上昇に影響する主な要因
| 要因 | 影響内容 |
|---|---|
| 通電電流 | 電流が大きいほど発熱量が増加 |
| 接触抵抗 | 抵抗値が高いほど発熱しやすい |
| 端子形状 | 電流密度や放熱性に影響 |
| めっき仕様 | 接触抵抗や耐久性に影響 |
| 電線サイズ | 電流容量や発熱量に影響 |
| 周囲温度 | 初期温度によって温度上昇量が変化 |
| 通電時間 | 長時間通電で熱が蓄積 |
注意事項
火災・発煙への警戒:接触抵抗が異常に高いサンプルがあると、通電直後に一気に100℃を超えて樹脂が溶けることがあります。いつでも電源を遮断できるよう、通電初期は特に監視を強化します
熱電対の浮き(測定エラー):もし特定の端子だけ全く温度が上がらない場合、熱電対の先端が端子から浮いて、中の「空気の温度」を測ってしまっている可能性があります。
局所的な「熱の籠もり(多極接続)」の評価:コネクタは1極(1本のピン)だけで使うとは限りません。10極、20極と多くの端子が密集している場合、全極に一斉に通電すると内部に熱が籠もり、中央部の端子が特に高温になります
前後評価
温度上昇試験は評価項目として実施されますので、各耐久試験で評価項目としてシーケンスの中で実施される事が多いです
ほか、発熱量の確認、ディレーティングカーブの取得の際は単独で実施など
- 基本的に各耐久試験で評価項目、シーケンスの中に組み込まれる
- 接触抵抗(電圧降下)
- 絶縁抵抗 ・・・など
株式会社フォスターの温度上昇試験サービス
株式会社フォスターでは、自動車用コネクタを中心に、温度上昇試験を受託しています。規定電流を通電した際の接点部や端子部の温度上昇を測定し、発熱特性や電流容量を評価します。JASO D616、IEC 60512、USCAR-2などの規格やお客様仕様に対応し、接触抵抗や電圧降下と組み合わせた評価、不具合解析まで幅広くサポートいたします。
ご依頼から試験実施までの流れ
- お問い合わせ・ヒアリング
対象製品の仕様(極数、サイズ、ピッチなど)や、ご希望の試験規格(JASO D 616など)をお伺いします。 - 試験計画のご提案・お見積り
必要な治具(ジグ)の手配や、スケジュールを含めた最適な試験プランをご提示します。 - 試験実施
20年以上の実績を持つ専門スタッフが、正確な条件で試験を執り行います。 - データ集計・レポート納品
測定データ、グラフ、外観写真などをまとめた試験報告書を速やかに納品いたします。ご希望のフォーマットがあれば、お送りください。そちらに合わせ作成いたします
リードタイム
最速1日、通常2~3日を要します
測温方法の検討から、熱電対の取り付け、サンプル作成、回路形成、常温なじませ、その後、試験開始となります。
通電時間が多くの場合1~3時間程度必要となります。その後、温度の下降を待って取り外し、ご返却となります。
Q&A
Q1. なぜ「温度上昇値(ΔT)」で評価するのですか?実測温度ではダメなのですか?
A1. 試験を行う日の室温(周囲温度)によって、実測温度は変わってしまうからです。周囲温度からの「純粋な上昇分」を算出することで、室温に左右されないコネクタ本来の発熱性能を一律に評価できます
Q2. 「接触抵抗」と温度上昇にはどのような関係がありますか?
A2. 接触抵抗が大きくなると、発熱量は電流の2乗に比例して激しく増加します(P=I^2R)。
そのため、温度上昇試験の前後には接触抵抗を測定し、異常な抵抗上昇がないかセットで評価することが多いです。
Q3. 試験に使う「電線の太さ」はどのように決めればよいですか?
A3. ターゲットとする適用規格(JASOやUSCARなど)で指定されている太さや、実際製品として使用される電線と同じものを使用してください。
電線は「熱を逃がすヒートシンク」の役割も果たすため、指定より太い電線を使うと温度が上がりにくくなり、細い電線を使うと温度が上がりやすくなりデータの信頼性が下がります。
料金体系
- 基本料金 :25,000円~(税抜き)
- 複数の機器、設備を利用しますので、お早めにお問い合わせください
温度上昇試験に関するご相談・お見積りはこちら
「急ぎで不具合の再現試験を行いたい」「センサー取付けの加工から丸投げしたい」など、柔軟に対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
本試験は JASO D616(ワイヤハーネスコネクタ試験方法・一般性能要件) に対応しています。規格の詳細は解説ページをご覧ください。
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よくある質問(FAQ)
Q. この試験の費用はいくらですか?
費用はサンプルの種類・数量・試験条件によって異なります。詳細はお問い合わせフォームまたはお電話にてお気軽にご相談ください。
Q. 試験の所要時間はどのくらいですか?
試験内容やサンプルの状態によって異なります。お見積り時に目安の納期をご案内いたします。
Q. どのような規格に対応していますか?
JIS規格をはじめ、IEC・MIL等の各種規格に対応しています。ご依頼時に対応規格をお知らせください。
Q. 試験結果はどのような形式で受け取れますか?
試験成績書(レポート)として発行いたします。必要に応じてPDFまたは紙での納品が可能です。
Q. 依頼方法を教えてください。
当サイトのお問い合わせフォームまたはお電話(平日9:00〜17:00)にてご相談ください。サンプル送付先や詳細な試験条件についてご案内いたします。
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株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは、自動車部品(コネクタ・ワイヤーハーネス・圧着端子)を中心とした受託試験・信頼性評価を行っております。 環境試験、電気特性試験、機械的特性試験、不具合解析など幅広い評価に対応し、お客様の開発・品質保証をサポートいたします。
まずはお気軽にご相談ください
試験内容や評価方法が決まっていない段階でもご相談いただけます。
技術担当者が目的や条件を確認し、最適な試験方法をご提案いたします。

