接触熱抵抗の計算式と放熱設計での低減対策

概要

株式会社フォスターでは、コネクタの通電・放熱評価試験を実施しており、接触界面の熱抵抗が温度上昇に与える影響の定量評価をサポートしています。

2つの固体が接触する界面では、表面の凹凸により実際の接触面積が見かけの面積よりも大幅に小さくなるため、熱移動が妨げられます。この接触界面の熱抵抗を「接触熱抵抗」(または界面熱抵抗)と呼びます。コネクタの端子接触点・放熱板とヒートシンクの接続部など、多くの界面で設計上の温度上昇を引き起こす重要因子です。

接触熱抵抗の発生メカニズムと計算

金属表面は拡大すると微細な凹凸(アスペリティ)があり、接触点は総面積の0.1〜1%程度にしか過ぎません。接触しない部分の熱は空気(熱伝導率:約0.026 W/m·K)を通じて移動するため、全体の熱抵抗が増大します。

接触熱抵抗Rth,c = 1/(h_c × A)(h_c:接触熱コンダクタンス W/m²·K、A:見かけの接触面積)で表されます。

接触条件接触熱コンダクタンスh_c(kW/m²·K)備考
金属-金属(乾燥)1〜10表面粗さRa・接触圧に依存
金属-金属(TIMグリース使用)10〜100グリースで凹凸を充填
金属-金属(はんだ接合)100〜1000界面が連続金属相になる
コネクタ端子接触点数kW/m²·K程度接触荷重・表面状態に依存

放熱設計での接触熱抵抗低減対策

接触熱抵抗の低減には、接触圧力の増大(固定ネジの追加)・表面粗さの改善・TIM(熱界面材料:グリース・シート・相変化材料)の適用が有効です。コネクタの端子接触部では接触荷重の管理(ばね定数・圧縮量の設計)が熱的性能にも影響します。


関連する試験

関連するページ

よくある質問

TIM(熱界面材料)はどう選ぶか?

熱伝導率(1〜30 W/m·K)・厚さ・操作性・信頼性(ポンプアウト・ドライアウト)のバランスで選定します。グリースは高性能ですが塗布管理が必要で、シートは作業性に優れます。

コネクタ端子の接触熱抵抗を下げる方法は?

端子ばね力の増大(接触荷重増大)・表面めっき粗さの低減・Auめっきによる酸化膜除去が有効です。ただし挿入力の増大とのバランスが必要です。

接触熱抵抗と接触電気抵抗は相関するか?

相関します。接触面積が大きいほど熱抵抗・電気抵抗ともに低下します。ウィーデマン・フランツ則的な相関が微視的な接触点でも成立します。

熱抵抗の測定方法は?

定常熱流法(放熱量と温度差から計算)・フラッシュ法(パルス熱入力後の温度応答から計算)が標準的な測定方法です。コネクタスケールでは温度センサーを使った定常法が一般的です。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。