コネクタや端子は、カタログの定格電流をそのまま最大まで使えるわけではありません。周囲温度や多極同時通電の条件に応じて、使用電流を下げて使う考え方がディレーティング(軽減定格)です。大電流化が進む車載・EV分野で特に重要になります。
ディレーティングとは
部品を定格の限界ぎりぎりで使わず、温度や環境に余裕を見て使用条件を下げること。発熱・寿命・信頼性のマージンを確保するための設計上の考え方です。
電流ディレーティング
端子に電流を流すと、導体抵抗と接触抵抗によるジュール熱(I²R)で温度が上がります。多極コネクタでは、隣接端子の発熱が互いに影響し合う(相互発熱)ため、1極あたりの許容電流は単極時より下がります。極数・配置・電線サイズに応じて使用電流を下げるのが電流ディレーティングです。
温度ディレーティング(ディレーティング曲線)
周囲温度が高いほど、許容できる自己発熱の余地は小さくなります。横軸に周囲温度、縦軸に許容電流をとった「ディレーティング曲線」で、使用温度に対する上限電流を決めます。規格上限温度に対してどれだけ余裕があるかが設計の肝です。
発熱の根は接触抵抗とジュール熱
ディレーティングの精度は、接触抵抗と発熱をどれだけ正確に把握できるかで決まります(接触抵抗のメカニズム)。接触抵抗は面圧・酸化・微摺動で変わるため、実測で押さえることが欠かせません。
CAEで予測し、試験で裏付ける
フォスターでは、端子やバスバーの発熱・温度分布を通電発熱シミュレーションや大電流バスバーの発熱解析で予測し、EV用大電流通電試験など実測と突き合わせて、ディレーティングの判断根拠を確かなものにします。
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