公開日: 2026年6月15日 / 最終更新日: 2026年6月15日
概要
コネクタや端子を結合(挿入)および解除(離脱)する際に発生する「荷重(力)」を精密に測定・評価する試験です。
測定器(オートグラフなど)を用いて数値化(N:ニュートン)することで、製品の嵌合性と耐久性を客観的に評価します。
規格
- JASO D 616 6.13(自動車用ワイヤハーネスコネクタ試験方法―挿入・離脱力)
- JIS C 5402-13-1(電子機器用コネクタ―試験及び測定―第13-1部:機械的試験方法―試験13a:挿入及び離脱力)
- 各 自動車 カーメーカー規格 など
詳細
専用の荷重測定器(卓上型引張圧縮試験機・オートグラフなど)にコネクタを固定し、一定の速度(例:25mm/min、50mm/minなど)で真っ直ぐに挿入・離脱させます。測定器が感知する荷重データを連続的に取得し、波形グラフ(荷重-ストローク曲線)に落とし込みます。
この波形から、以下の物理的数値を正確に算出します。
- ① 挿入力(ピーク荷重)
- 現象: コネクタを挿入する過程で、最も大きな力が必要となるポイント。
- 詳細: ハウジングのロック爪が相手の壁を乗り越える瞬間や、ピン端子がメス端子に進入する瞬間の抵抗です。この値が高すぎると「硬すぎて手作業で組み立てられない」不具合につながります。
- ② ロック乗り越え後のドロップ(クリック感の指標)
- 現象: ロック爪を乗り越えた直後、荷重が一気に抜ける挙動。
- 詳細: この荷重ドロップ(差分)の数値が大きいほど、作業者が「パチン」とした明確なクリック感(安心感)を認識しやすくなります。
- ③ 離脱力(保持力)
- 現象: コネクタを引き抜く(離脱させる)際に必要な最大の力。
- 詳細: ロック付きコネクタの場合はロックを解除した状態での引き抜き抵抗を測り、多極コネクタの「端子同士の全摩擦力」を正確に評価します。(ロックありでの実施は、「保持力」として別ページでご説明しております)
これらを人の感覚ではなく、測定器による数値データ(N)にて確認します。
目的
「コネクタの嵌合(かんごう)品質を数値化し、誤嵌合や接続不良を未然に防ぐこと」です。
設計が完璧であっても、プラスチックの成形精度や金型の摩耗によって寸法がわずかに変わると、挿入力は真っ先に変化します。
「硬すぎてライン作業員が奥まで刺せない(不完全嵌合の原因)」、あるいは「緩すぎて走行時の振動で抜けてしまう」といったリスクを、定量的な限界値(規格値)に照らし合わせて洗い出します。
注意事項
治具の直動性(こじり防止):手作業とは異なり、試験機で引っ張るため、軸がわずかでも傾いていると「こじり(斜め押し・斜め引き)」が発生し、荷重が実際より高く測定されてしまいます。
軸線を完全に一致させるための、高精度な専用保持治具(ジグ)が必要です。
サンプルの材質(樹脂や端子メッキ)は温度環境に影響を受けるため、原則として規定の室温(23℃±5℃等)になじませてから試験を行います。
前後評価
樹脂の劣化や寸法変化が疑われる各種耐久試験の後に実施し評価、
また、初期値からの「荷重の変化率」で比較評価も可能です。
- サーマルショック試験
- 温湿度サイクル試験
- 高温放置試験 / 低温放置試験
- 挿抜耐久試験(規定回数の抜き差しを繰り返した後の変化測定)・・・など
ご依頼から試験実施までの流れ
- お問い合わせ・ヒアリング
製品仕様(極数、サイズ、ロック構造の有無)やご希望の試験規格・測定速度をお伺いします。 - 試験計画のご提案・お見積り
必要な治具(ジグ)の手配や、スケジュールを含めた最適な試験プランをご提示します。 - 試験実施
15年以上の実績を持つ専門スタッフが、正確な条件で試験を執り行います。 - データ集計・レポート納品
測定データ、グラフ、外観写真などをまとめた試験報告書を速やかに納品いたします。ご希望のフォーマットがあれば、お送りください。そちらに合わせ作成いたします
リードタイム
標準治具で固定できる形状の場合、サンプル受領後、即日~数日以内(空き状況による)に実施可能です。
特殊な形状で専用固定治具の設計・製作が必要な場合は、別途1〜2週間程度。
Q&A
Q1. コネクタを固定するための治具がありませんが、丸投げで作製してもらえますか?
A1. はい、対応可能です。サンプルの3Dデータ(STEP等)や実物をお預かりできれば、当社の試験機に真っ直ぐ固定するための専用アルミ治具やアタッチメントを設計・作製いたします。
Q2. 1本のハーネス(端子単品)を引き抜く「端子保持力(圧着端子抜け力)」の測定も可能ですか?
A2. はい、測定可能です。コネクタ全体の挿入・離脱力だけでなく、ハウジングから端子単体が抜ける際の保持力、また圧着電線のカシメ強度も、同様の小型ロードセルを用いて対応可能です。
Q3. 試験中に測定した「荷重データの生データ(CSV)」をいただくことは可能ですか?
A3. はい、標準のPDF報告書に加えて、グラフ化の元となった時間・ストローク・荷重のデジタルデータ(CSV形式)も無料でお渡し可能です。社内での詳細なデータ解析にお役立てください。
料金体系
- 基本料金 :6,000円~(税抜き)(※測定点数、治具手配の有無、報告書作成費による)
- 治具の作製が必要な場合は、別途お見積りとなります。
挿入力・離脱力試験に関するご相談・お見積りはこちら
「規定のスピードでグラフ波形を取得したい」「海外規格の条件で正確に測定したい」など、柔軟に対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
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よくある質問(FAQ)
Q. この試験の費用はいくらですか?
費用はサンプルの種類・数量・試験条件によって異なります。詳細はお問い合わせフォームまたはお電話にてお気軽にご相談ください。
Q. 試験の所要時間はどのくらいですか?
試験内容やサンプルの状態によって異なります。お見積り時に目安の納期をご案内いたします。
Q. どのような規格に対応していますか?
JIS規格をはじめ、IEC・MIL等の各種規格に対応しています。ご依頼時に対応規格をお知らせください。
Q. 試験結果はどのような形式で受け取れますか?
試験成績書(レポート)として発行いたします。必要に応じてPDFまたは紙での納品が可能です。
Q. 依頼方法を教えてください。
当サイトのお問い合わせフォームまたはお電話(平日9:00〜17:00)にてご相談ください。サンプル送付先や詳細な試験条件についてご案内いたします。
株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは、20年以上にわたりコネクタ評価・環境試験・信頼性評価に携わり、自動車・電子部品分野を中心とした受託試験を行っています。本ページは、20年以上にわたる受託試験の実績と技術的知見をもとに作成しています。
