熱可塑性エラストマー(TPE)の柔軟性と防水シール設計

概要

株式会社フォスターでは、防水コネクタのIPX試験・シール性試験・温湿度試験を実施しており、TPEシール材の長期密封性評価に対応しています。

熱可塑性エラストマー(TPE)は、加硫ゴムの柔軟性と熱可塑性樹脂の成形性を兼ね備えた材料です。コネクタの防水シール・ワイヤーシール・グロメットに広く採用されており、シリコーンゴムに比べてコスト優位性があります。ただし、低温柔軟性・圧縮永久ひずみ・耐油性はシリコーンゴムに劣るため、使用環境に合わせた材料選定が必要です。

TPEの種類と特性比較

コネクタシール用途では主にTPE-E(ポリエステル系)・TPE-V(架橋PP/EPDMブレンド)・TPU(ポリウレタン系)・シリコーン系TPEが使用されます。

TPE種類硬さ範囲(Shore A)耐熱性耐油性低温柔軟性特徴
TPE-V(Santoprene系)40〜85120℃−40℃車載標準・バランス型
TPE-E(Hytrel系)35〜80140℃非常に良−40℃耐油・耐熱
シリコーンゴム10〜80200℃以上−55℃最高耐熱・高コスト
TPU55〜95100〜120℃非常に良−30℃機械強度高

防水シール設計でのTPE活用ポイント

防水シールの密封性は、シール材の圧縮量(スクイーズ量)と圧縮永久ひずみの管理が鍵です。TPE-Vの圧縮永久ひずみは70℃×22h×25%圧縮条件で15〜30%程度であり、長期使用後もシール圧縮力を維持できる設計(スクイーズ量に余裕を持たせる)が必要です。


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よくある質問

シリコーンゴムとTPEの使い分けは?

コスト優先・120℃以下ではTPE-V、高温(150℃以上)・高信頼性要求・低温(−55℃以下)ではシリコーンゴムを選択します。

防水IPX7試験とIPX8試験の違いは?

IPX7は水深1m・30分間の浸漬耐性、IPX8は製造者指定の条件(水深・時間を規定)での連続浸漬耐性です。EV/HV車の充電コネクタではIPX8以上が求められることがあります。

ワイヤーシールの径公差はどの程度か?

ワイヤーシールは電線被覆外径に対して締め代(スクイーズ)が設けられており、公差±0.1〜0.2mm程度が管理されます。電線外径ばらつきとの組み合わせで密封性が決まります。

TPEはリサイクル可能か?

熱可塑性であるため原則リサイクル可能です。これはEoL(使用済み製品)のリサイクル性においてシリコーンゴムより優位な点です。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。