断面研磨(クロスセクション)の作成方法と界面観察の注意点

概要

株式会社フォスターでは、コネクタ端子・はんだ接合部・圧着部の断面構造解析を実施しており、樹脂包埋から研磨・SEM観察まで一貫した断面解析サービスを提供しています。

断面研磨(クロスセクション)は、電子部品・接合部の内部構造・界面状態・不具合部位を直接観察するための最も基本的な解析手法です。適切な試料作製がなければ研磨傷・引き出し(スメア)・樹脂収縮による人工的な亀裂が生じ、誤った評価につながります。正確な試料作製手順と観察上の注意点を理解することが信頼性の高い断面解析の前提です。

断面研磨の作製手順

標準的な断面研磨の手順:①包埋(試料を低収縮エポキシ樹脂に埋め込み・真空含浸で気泡除去)→②粗研磨(SiC耐水ペーパー:320→600→800番)→③中間研磨(1〜3μmダイヤモンドペースト)→④仕上げ研磨(コロイダルシリカ:0.05μm)→⑤洗浄・乾燥→⑥SEM・EDX観察。

研磨段階研磨材目的注意点
粗研磨SiC耐水ペーパー#320〜#800試料面の整形力を入れすぎず均等に
中間研磨ダイヤモンドペースト1〜3μm引き出し除去・平滑化研磨液の種類・回転数管理
仕上げ研磨コロイダルシリカ0.05μm鏡面仕上げ・変形最小化OverPolishing(過研磨)を避ける
ArイオンミリングArイオンビーム(CP法)研磨傷のない断面SEM用の最高品質断面

界面観察での注意点とアーティファクト

断面観察で注意すべきアーティファクト(人工的欠陥):①引き出し(スメア):柔らかい金属(Sn等)が研磨方向に引っ張られ亀裂が埋まる偽像、②研磨傷:硬質粒子が表面に残った引掻き傷、③樹脂収縮亀裂:包埋樹脂の収縮で界面に人工的な隙間が生じる現象。これらはコローダルシリカ仕上げ・CP(クロスセクションポリッシャー)・FIBで大幅に低減できます。


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よくある質問

包埋樹脂の選び方のポイントは?

低粘度(真空含浸でボイドに浸透)・低収縮率(界面開口を防止)・硬化後の硬さ(試料との研磨速度差を最小化)が重要です。エポキシ(低収縮)が最も広く使われます。

SEM観察でのコーティングは必要か?

絶縁性試料(樹脂・セラミック主体)では帯電防止のためPtまたはCのスパッタコーティング(数nm)が必要です。金属試料では不要な場合が多いです。

クロスセクションポリッシャー(CP)とは何か?

Arイオンビームでマスク端面から試料を削る非接触研磨法です。機械研磨では困難な脆性材料・ソフト金属の高品質断面を傷なく作製できます。SiC/Cu接合・セラミック断面に特に有効です。

コネクタ圧着断面で確認すべき重要項目は何か?

圧縮率(圧縮後の断面積/圧縮前の断面積)・ワイヤーの充填率・モンキーテール(電線の折り返し)・ビリ(圧着部末端の亀裂)・端子変形の均一性が主要確認項目です。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。