FPC折り曲げ試験|折り曲げによる導通・外観変化を評価
FPC(フレキシブルプリント基板)は、薄く柔軟な構造を持ち、電子機器内部の限られたスペースや可動部の配線などに使用されています。
一方で、FPCを小さな曲率で折り曲げたり、繰り返し折り曲げたりすると、導体や絶縁材料に負荷が加わり、抵抗変化や断線、外観異常などが発生する場合があります。
FPC折り曲げ試験では、所定の荷重、折り曲げ条件、曲率などを設定してFPCを繰り返し折り曲げ、導体抵抗、導通状態、断線、外観などの変化を確認します。
株式会社フォスターでは、FPCを含む電子部品・電装部品の評価試験について、試験目的や使用条件に応じた評価方法をご相談いただけます。
FPC折り曲げ試験とは
FPC折り曲げ試験は、FPCを規定または指定した条件で繰り返し折り曲げ、その耐折性を評価する試験です。
FPCの耐折性については、JIS C 5016「フレキシブルプリント配線板試験方法」の8.7項に「耐折性」が規定されています。規格では、試料に所定の張力を加えながら折り曲げを繰り返し、断線するまでの回数を測定する方法が示されています。
実際の試験では、FPCの構造や用途、評価目的に応じて、折り曲げ面の曲率半径、荷重、折り曲げ速度などの条件を設定します。
FPCの耐折性を評価する理由
FPCは薄型で柔軟なため、通常のプリント基板では配線が難しい可動部や狭いスペースにも使用できます。
しかし、折り曲げによって導体や絶縁層に繰り返し応力が加わると、次のような変化が発生する可能性があります。
| 評価対象 | 確認する内容 |
|---|---|
| 導体 | 抵抗変化、断線 |
| 導通状態 | 通電状態の変化、瞬断 |
| カバーレイ | ひび割れ、剥離、損傷 |
| ベースフィルム | 折れ、損傷、変形 |
| 外観 | 折り曲げ部の変化 |
特に可動部に使用されるFPCでは、製品の使用中に繰り返し折り曲げられることがあるため、使用条件を想定した耐折性の確認が重要になります。
FPC折り曲げ試験の主な評価項目
FPC折り曲げ試験では、単純に「何回折り曲げても断線しなかったか」だけでなく、試験前後の電気的・機械的な変化を確認することができます。
主な評価項目は以下のとおりです。
導体抵抗
試験前後の導体抵抗を測定し、折り曲げによる抵抗値の変化を確認します。
断線に至っていない場合でも、導体に損傷や疲労が発生すると抵抗値が変化する可能性があります。
導通状態
折り曲げ中または試験後に導通状態を確認し、断線や瞬間的な導通異常の有無を確認します。
断線
規定回数まで折り曲げた後、導体が断線していないかを確認します。
また、評価目的によっては、断線に至るまでの折り曲げ回数を測定することもできます。
外観
折り曲げ部について、導体、カバーレイ、ベースフィルムなどの外観を確認します。
FPC折り曲げ試験の試験条件
試験条件は、FPCの仕様や評価目的に応じて設定します。
主な条件には以下があります。
| 試験条件 | 内容 |
|---|---|
| 折り曲げ半径 | FPCを折り曲げる部分の曲率 |
| 折り曲げ角度 | 折り曲げる角度 |
| 荷重 | FPCに加える張力・荷重 |
| 折り曲げ速度 | 1分間あたりの折り曲げ回数 |
| 試験回数 | 規定回数または断線までの回数 |
| 通電条件 | 折り曲げ中に導通状態を監視する場合の条件 |
JIS C 5016の耐折性試験では、折り曲げ面の曲率半径は受渡当事者間で取り決めることとされ、張力4.9N、毎分170回程度の割合で折り曲げ、断線までの回数を測定する方法が示されています。
ただし、実際の製品評価では対象FPCの仕様や使用条件に合わせて試験条件を設定するため、規格条件をそのまま適用するとは限りません。
FPC折り曲げ試験の方法
FPC折り曲げ試験では、試料を試験機に取り付け、折り曲げ部に繰り返し負荷を与えます。
一般的な流れは以下のとおりです。
- 試験前のFPCを確認
- 必要に応じて導体抵抗・導通状態を測定
- 試験機にFPCを取り付け
- 所定の荷重を設定
- 折り曲げ条件を設定
- 繰り返し折り曲げを実施
- 導通状態や断線の有無を確認
- 試験後の外観を確認
- 必要に応じて導体抵抗を再測定
試験方法は、規格準拠、製品仕様、実使用条件など、評価目的に応じて設定します。
FPC折り曲げ試験における測定
FPCの耐折性を評価する場合、試験前後の電気的特性を比較することで、折り曲げによる変化を確認できます。
例えば、以下のような測定を行います。
| 測定項目 | 試験前 | 試験後 | 評価内容 |
|---|---|---|---|
| 導体抵抗 | 100.0mΩ | 103.5mΩ | 抵抗変化 |
| 導通状態 | 正常 | 正常 | 断線の有無 |
| 外観 | 異常なし | 軽微な変化 | 折り曲げ部を確認 |
※数値は評価方法を説明するための参考例であり、実際の試験結果を示すものではありません。
FPC折り曲げ試験後の外観評価
折り曲げ試験後には、折り曲げ部を中心に外観を確認します。
確認項目としては、以下のようなものがあります。
- 導体の損傷
- カバーレイのひび割れ
- カバーレイの剥離
- ベースフィルムの損傷
- 折り曲げ部の変形
- 導体の断線
外観観察だけでは判断が難しい場合には、顕微鏡観察や断面観察などを組み合わせることで、折り曲げ部の状態をより詳細に確認できます。
FPC折り曲げ試験と屈曲・曲げ耐久試験の違い
FPCの「折り曲げ試験」と「屈曲・曲げ耐久試験」は、どちらもFPCに繰り返し機械的負荷を与える試験ですが、評価方法や試験機構が異なります。
| 項目 | 折り曲げ試験 | 屈曲・曲げ耐久試験 |
|---|---|---|
| 主な評価 | 耐折性 | 耐屈曲性 |
| 動作 | 折り曲げを繰り返す | 曲げ・往復運動を繰り返す |
| 主な評価対象 | 折り曲げ部の耐久性 | 繰り返し屈曲に対する耐久性 |
| 評価例 | 断線までの回数、外観 | 抵抗変化、断線、導通状態 |
| 規格例 | JIS C 5016 8.7 | JIS C 5016 8.6 |
JIS C 5016でも「耐屈曲性」と「耐折性」は別項目として規定されています。
FPC折り曲げ試験のご相談について
株式会社フォスターでは、FPCの折り曲げ試験について、試験条件や評価項目のご相談に対応しています。
規格に沿った評価だけでなく、実際の使用条件を想定した折り曲げ回数、荷重、曲げ条件などについても、評価目的に応じて試験方法を検討します。
試験前後の導体抵抗測定、導通確認、外観観察などを組み合わせた評価についてもご相談ください。
ご依頼から試験実施までの流れ
- お問い合わせ・ヒアリング
試験品仕様・試験条件・判定基準をご確認します。 - お見積り・試験計画提案
最適な試験方法と費用をご提示します。 - 試験実施
20年以上の実績を持つ専門スタッフが正確に実施します。 - レポート納品
測定データ・グラフ・写真を含む試験報告書を納品します。
料金体系
基本料金:要お見積り(試験数量・端子仕様により異なります)
関連する試験
よくある質問(FAQ)
Q. この試験の費用はいくらですか?
費用はサンプルの種類・数量・試験条件によって異なります。詳細はお問い合わせフォームまたはお電話にてお気軽にご相談ください。
Q. 試験の所要時間はどのくらいですか?
試験内容やサンプルの状態によって異なります。お見積り時に目安の納期をご案内いたします。
Q. どのような規格に対応していますか?
JIS規格をはじめ、IEC・MIL等の各種規格に対応しています。ご依頼時に対応規格をお知らせください。
Q. 試験結果はどのような形式で受け取れますか?
試験成績書(レポート)として発行いたします。必要に応じてPDFまたは紙での納品が可能です。
Q. 依頼方法を教えてください。
当サイトのお問い合わせフォームまたはお電話(平日9:00〜17:00)にてご相談ください。サンプル送付先や詳細な試験条件についてご案内いたします。
関連する試験
株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは、自動車部品(コネクタ・ワイヤーハーネス・圧着端子)を中心とした受託試験・信頼性評価を行っております。 環境試験、電気特性試験、機械的特性試験、不具合解析など幅広い評価に対応し、お客様の開発・品質保証をサポートいたします。
まずはお気軽にご相談ください
試験内容や評価方法が決まっていない段階でもご相談いただけます。
技術担当者が目的や条件を確認し、最適な試験方法をご提案いたします。



