FPC引張試験|引張荷重による強度・断線を評価
FPC(フレキシブルプリント基板)は、薄く柔軟な構造を持つため、電子機器や車載機器などの限られたスペースで使用されています。
一方で、組付け時や使用中にFPCへ引張力が加わると、導体の断線やフィルムの破損、端子・補強板周辺の損傷などが発生する可能性があります。
FPC引張試験では、試料に一定の引張荷重を加え、破断荷重、伸び、導通状態、断線、外観などを確認することで、FPCの機械的な強度を評価します。
株式会社フォスターでは、自動車用コネクタ・ワイヤーハーネス・電子部品を中心とした評価試験の経験をもとに、FPCの構造や評価目的に応じた機械的評価についてもご相談いただけます。
本ページでは、FPC引張試験の目的や試験方法、主な評価項目、試験前後の比較について解説します。
FPC引張試験とは
FPC引張試験とは、FPCに引張力を加え、荷重に対する変形や破断、断線などを確認する試験です。
FPCは柔軟な構造を持つ一方で、導体、ベースフィルム、カバーレイ、接着層、補強板など複数の材料で構成されています。
そのため、引張荷重が加わった場合には、以下のような不具合が発生する可能性があります。
- 導体の断線
- 導体のクラック
- ベースフィルムの破断
- カバーレイの剥離
- 層間剥離
- 補強板周辺の破損
- 端子接続部の損傷
引張試験では、このような機械的な損傷がどの程度の荷重で発生するかを確認します。
FPC引張試験を行う目的
FPC引張試験は、FPC自体の強度を確認するだけでなく、実際の使用中や組付け時に加わる荷重に対して十分な強度を持っているかを評価するために行います。
例えば、以下のような場面を想定した評価があります。
- 組付け時にFPCを引っ張る場合
- コネクタ接続部に荷重が加わる場合
- 可動部の動作によって張力が加わる場合
- FPCを固定する部分に応力が集中する場合
- 端子や補強板周辺の強度を確認する場合
単純な外観確認だけでは、内部の導体損傷や接続部の劣化を判断できないことがあるため、必要に応じて電気的な測定も組み合わせます。
FPC引張試験の主な評価項目
FPC引張試験では、評価目的に応じて以下のような項目を確認します。
| 評価項目 | 内容 |
|---|---|
| 最大荷重 | 試料が耐えた最大の引張荷重 |
| 破断荷重 | 破断したときの荷重 |
| 伸び | 引張による変形量 |
| 導通状態 | 引張中または試験後の導通確認 |
| 導体抵抗 | 引張による抵抗値の変化 |
| 外観 | クラック、剥離、変形など |
| 破断位置 | どの部分で破断したか |
評価目的によっては、破断まで荷重を加える試験だけでなく、所定の荷重を一定時間加えた後の状態を確認する試験も行います。
FPC引張試験の試験方法
FPC引張試験では、試料の両端または指定された部分を固定し、引張試験機によって一定方向に荷重を加えます。
基本的な流れは以下のとおりです。
- 試料の状態を確認
- 必要に応じて導通・抵抗値を測定
- FPCを試験治具に固定
- 引張方向を設定
- 所定の速度で引張
- 荷重と変位を測定
- 破断または規定荷重まで試験
- 試験後の導通・外観を確認
引張速度や固定方法は、試料の構造や評価目的によって結果に影響するため、試験条件を明確にすることが重要です。
FPC引張試験の主な試験条件
FPC引張試験では、以下のような条件を設定します。
| 試験条件 | 内容 |
|---|---|
| 引張方向 | FPCの長手方向など |
| 引張速度 | 荷重を加える速度 |
| 最大荷重 | 所定荷重または破断まで |
| 試験時間 | 荷重保持を行う場合の時間 |
| 試料幅 | 評価するFPCの幅 |
| 固定方法 | チャック・専用治具など |
| 測定項目 | 荷重、変位、導通、抵抗など |
例えば、破断強度を確認する場合には、一定速度で荷重を加え、最大荷重や破断時の状態を確認します。
一方、使用時の耐荷重を確認する場合には、想定される荷重を一定時間加えた後、導通状態や外観を確認する方法があります。
FPC引張試験における荷重と変位
引張試験では、加えた荷重とFPCの変位を記録することで、試料の変形状態を確認できます。
例えば、以下のような測定結果になります。
| 荷重 | 変位 |
|---|---|
| 0 N | 0 mm |
| 5 N | 1.2 mm |
| 10 N | 2.6 mm |
| 15 N | 4.1 mm |
| 20 N | 6.8 mm |
| 最大荷重 23.5 N | 破断 |
※上表は説明用の参考例であり、実際の測定値ではありません。
荷重と変位の関係を確認することで、破断前の変形状態や、急激な特性変化の有無を把握できます。
引張試験中の導通確認
FPCの引張試験では、機械的な破断だけでなく、導体の電気的な状態を確認することも重要です。
外観上は破断していなくても、導体にクラックが発生することで導通不良や抵抗上昇が発生する可能性があります。
そのため、試験内容に応じて、
- 引張前の導通確認
- 引張中の導通監視
- 試験後の導通確認
- 試験前後の導体抵抗比較
などを実施します。
FPC引張試験における破断位置の確認
FPCが破断した場合には、単純に破断荷重だけを確認するのではなく、どの位置で破断したかを確認することも重要です。
例えば、以下のような破断位置があります。
| 破断位置 | 考えられる確認項目 |
|---|---|
| FPC中央部 | FPC本体の材料・構造 |
| 導体部 | 導体の厚さ・幅・状態 |
| 補強板周辺 | 応力集中・固定構造 |
| 端子接続部 | 接続部の構造・強度 |
| 曲げ部 | 過去の屈曲による劣化 |
破断位置を確認することで、単純な強度不足だけでなく、構造上の応力集中などについても検討できます。
試験前後の特性比較
FPC引張試験では、試験前後で電気的・機械的な状態を比較することができます。
| 評価項目 | 試験前 | 試験後 |
|---|---|---|
| 導体抵抗 | 85.2 mΩ | 86.1 mΩ |
| 導通状態 | 正常 | 正常 |
| 外観 | 異常なし | 異常なし |
| 引張荷重 | - | 15 N保持 |
※上表は説明用の参考例であり、実際の測定値ではありません。
このように所定荷重を加えた前後で特性を比較することで、外観だけでは判断できない電気的な変化も確認できます。
FPCの引張強度に影響する主な要因
FPCの引張強度は、FPC全体の構造や試験条件によって変化します。
| 要因 | 主な影響 |
|---|---|
| FPCの厚さ | 全体的な強度・剛性に影響 |
| 導体厚 | 導体部の強度に影響 |
| 導体幅 | 荷重が加わる断面積に影響 |
| ベースフィルム | FPC本体の強度に影響 |
| 接着層 | 層間剥離に影響 |
| 補強板 | 固定部周辺の強度に影響 |
| 固定方法 | 応力集中の発生に影響 |
| 引張速度 | 測定される特性に影響 |
特に、FPCの一部だけを固定して引張る場合には、固定部周辺に局所的な応力が発生するため、実際の使用状態を考慮した試験治具の設定が重要になります。
FPC引張試験と屈曲・折り曲げ試験の違い
FPCには複数の機械的評価がありますが、それぞれ確認する内容が異なります。
| 試験 | 主な評価内容 |
|---|---|
| FPC引張試験 | 引張荷重に対する強度 |
| FPC屈曲・曲げ耐久試験 | 繰り返し曲げに対する耐久性 |
| FPC折り曲げ試験 | 繰り返し折り曲げに対する耐折性 |
引張試験では、FPCに直線方向の荷重を加えることが特徴です。
一方、屈曲・折り曲げ試験では、FPCを曲げることで繰り返し応力を加えます。
そのため、FPCの使用環境に応じて、必要な試験を組み合わせることが重要です。
FPC引張試験のご相談について
株式会社フォスターでは、FPCの構造や評価目的に応じた引張試験についてご相談いただけます。
FPC本体の引張強度、所定荷重に対する耐久性、引張時の断線確認、試験中の導通監視など、評価目的に応じて試験条件を設定します。
試験後の外観観察や、必要に応じた顕微鏡観察・断面観察についてもご相談ください。
ご依頼から試験実施までの流れ
- お問い合わせ・ヒアリング
試験品仕様・試験条件・判定基準をご確認します。 - お見積り・試験計画提案
最適な試験方法と費用をご提示します。 - 試験実施
20年以上の実績を持つ専門スタッフが正確に実施します。 - レポート納品
測定データ・グラフ・写真を含む試験報告書を納品します。
料金体系
基本料金:要お見積り(試験数量・端子仕様により異なります)
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よくある質問(FAQ)
Q. この試験の費用はいくらですか?
費用はサンプルの種類・数量・試験条件によって異なります。詳細はお問い合わせフォームまたはお電話にてお気軽にご相談ください。
Q. 試験の所要時間はどのくらいですか?
試験内容やサンプルの状態によって異なります。お見積り時に目安の納期をご案内いたします。
Q. どのような規格に対応していますか?
JIS規格をはじめ、IEC・MIL等の各種規格に対応しています。ご依頼時に対応規格をお知らせください。
Q. 試験結果はどのような形式で受け取れますか?
試験成績書(レポート)として発行いたします。必要に応じてPDFまたは紙での納品が可能です。
Q. 依頼方法を教えてください。
当サイトのお問い合わせフォームまたはお電話(平日9:00〜17:00)にてご相談ください。サンプル送付先や詳細な試験条件についてご案内いたします。
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