リフローとはんだ付けの違い|プリント基板実装の仕組みを解説

概要

リフローとは、プリント基板へ電子部品を高品質かつ効率的に実装するための代表的なはんだ付け工法です。
リフローはんだ付けは、自動車のECUやセンサー、通信機器など高密度実装が求められる電子機器で広く採用されています。
本記事では、リフローとは何か、手はんだ付けとの違い、実装工程、不良の種類や品質管理のポイントについて分かりやすく解説します。

株式会社フォスターでは、自動車用コネクタ・ハーネス・電子部品の信頼性評価に関する受託試験サービスを提供しており、本記事では実際の評価業務でも重要となるリフロー実装の仕組み、はんだ接合部の品質、代表的な不良と評価方法について解説します。

リフローとは

リフロー(Reflow Soldering)とは、はんだペースト(クリームはんだ)を基板へ印刷し、その上に電子部品を配置した後、リフロー炉で加熱して一括ではんだ付けを行う実装方法です。
現在の電子機器は小型・高密度化が進み、多数の表面実装部品(SMD)が使用されています。
リフロー工法は、それらを短時間で均一に接合できるため、量産製品では標準的な製造方法となっています。
特に自動車用ECUやADAS、電動車(EV・HEV)の制御基板では、高い接合品質と再現性が求められることから、温度プロファイルを厳密に管理したリフロー工程が不可欠です。

リフローとはんだ付けの違い

リフローも「はんだ付け」の一種ですが、加熱方法や用途が異なります。

項目リフローはんだ付け手はんだ付け
加熱方法リフロー炉で基板全体を加熱はんだごてで局所加熱
使用材料はんだペースト糸はんだ・棒はんだ
対象部品表面実装部品(SMD)リード部品・補修
生産性大量生産向き少量・試作向き
品質条件管理により均一作業者の技量に左右されやすい

現在の電子機器では、量産工程のほとんどがリフローはんだ付けで行われています。
一方、試作や修理、後付け部品などでは手はんだ付けが利用されます。

リフロー工程の流れ

リフロー工程は、単にはんだを溶かすだけではなく、温度を細かく管理しながら接合品質を確保します。

工程内容
① はんだ印刷メタルマスクを用いて基板へはんだペーストを印刷
② 部品実装マウンターで電子部品を配置
③ 予熱(Preheat)基板全体を徐々に昇温し、熱応力を低減
④ ソーク(均熱)基板全体の温度を均一化し、フラックスを活性化
⑤ リフロー(ピーク加熱)はんだを融点以上まで加熱して接合
⑥ 冷却適切な速度で冷却し、接合部を安定化

特に温度プロファイルは品質に直結する重要な管理項目です。加熱・保持・冷却条件が適切でないと、接合不良や部品への熱ダメージにつながります。

リフローで発生しやすい不良

リフロー条件が適切でない場合、さまざまな不良が発生します。

不良概要主な原因
ボイドはんだ内部に空洞が残る加熱条件・ガス発生
はんだブリッジ隣接端子が短絡する印刷量過多・位置ずれ
マンハッタン現象(トゥームストーン)チップ部品が立ち上がる左右のぬれ性差・温度差
未ぬれはんだが十分広がらない酸化・フラックス不足
はんだ不足接合部のはんだ量不足印刷不良・マスク設計
部品ずれ部品位置がずれる搭載精度・表面張力

自動車部品ではなぜ品質管理が重要なのか

車載電子機器は、高温・低温の繰り返し、エンジンや路面からの振動、高湿度・結露、長期間の連続使用といった厳しい環境で使用されます。
リフロー条件が適切でないと、はんだ接合部に微細なクラックやボイドが残り、温度サイクルや振動によって疲労破壊が進行することがあります。
そのため、自動車業界では量産開始前だけでなく、工程変更や材料変更時にも接合部の信頼性評価が実施されています。

リフロー接合部の評価とフォスターの受託試験

リフロー品質は外観検査だけでは十分に評価できません。
株式会社フォスターでは、自動車用コネクタ・電子部品の評価実績を活かし、リフロー接合部の品質確認や信頼性評価に対応しています。
主な評価内容は次のとおりです。

評価内容確認できる内容
断面構造検査金属間化合物、ボイド、ぬれ状態
断面研磨接合部内部構造の観察
SEM観察・元素分析破壊原因や組成解析
サーマルショック試験温度変化による接合信頼性
高温放置試験金属間化合物の成長評価
外観検査ブリッジ・未ぬれ・部品ずれの確認

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よくある質問

リフローはんだ付けと手はんだ付けはどう使い分けますか?

量産の表面実装部品にはリフロー、少量生産や補修、特殊な部品の実装には手はんだ付けが用いられるのが一般的です。

リフロー炉ではどのくらいの温度になりますか?

使用するはんだの種類によって異なりますが、一般的な鉛フリーはんだの場合、ピーク温度はおよそ230〜250℃程度まで加熱されます。

リフロー不良はどうやって確認しますか?

外観検査に加え、接合部を切断して断面を観察したり、温度変化を繰り返し与えて接合部の耐久性を確認する方法が用いられます。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。