FR-4基板の特性と耐熱温度(Td/Tg)と選定ポイント

概要

株式会社フォスターでは、PCB実装コネクタの断面解析・はんだ接合部の品質評価を実施しており、基板材料特性が実装信頼性に与える影響の評価をサポートしています。

FR-4はプリント基板(PCB)の最も標準的な基材であり、ガラス繊維強化エポキシ樹脂で構成されます。耐熱温度の指標としてガラス転移温度Tgと熱分解温度Tdが重要であり、リフローはんだ付けや高温動作環境での基板選定の根拠となります。車載用途では民生品より高Tg・高Tdのグレードが求められます。

FR-4の基本構成と主要材料特性

FR-4基板はエポキシ樹脂(バインダー)+ガラスクロス(補強材)の複合材料です。FR(Flame Retardant)は難燃性の分類を示します。電気絶縁性・機械強度・コストバランスが優れており、民生〜産業まで最も広く採用されています。

特性標準FR-4高Tg FR-4(Tg 170℃品)単位・備考
Tg(ガラス転移温度)130〜140℃170〜175℃℃(DSC法)
Td(熱分解温度)約290〜310℃約310〜340℃℃(5%重量減少)
CTE(z方向)約60〜70 ppm/℃約50〜60 ppm/℃ppm/℃(Tg以下)
比誘電率(1MHz)4.2〜4.83.9〜4.5無次元
誘電正接(1MHz)0.015〜0.0250.010〜0.020無次元
曲げ強度約400〜500 MPa約420〜520 MPaMPa

TgとTdの違いと実装への影響

Tgは基板の剛性が低下し始める温度で、リフロー時(最高温度260℃)にはTgを大幅に超えますが、短時間であれば実用上問題ありません。Tdはエポキシが化学的に分解する温度で、Tdを超える時間が長いと基板の永続的な損傷(デラミネーション・ブリスタリング)が発生します。高Tgグレードはより高いTdを持ち、複数回リフローでの信頼性が高まります。


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よくある質問

FR-4と他のPCB材料の違いは?

CEM-3は紙基材+ガラスクロスで低コスト、ポリイミド(PI)基板は高耐熱(Tg 250℃以上)・高価、Rogers社材料は低誘電率・高周波対応です。車載では高Tg FR-4またはPIが標準です。

デラミネーションとは何か?

基板の層間剥離のことです。Tg以上での高温・高湿度環境での蒸気圧や熱膨張差により層間が剥がれます。T288試験(288℃での時間耐性)で評価します。

車載基板で高Tgグレードが必要な理由は?

車載ECUはリフロー後の後付け部品取り付け・修理工程で追加加熱を受ける場合があります。また動作温度が高く、長期使用での耐熱信頼性確保が必要なため標準Tgでは不足します。

FR-4の吸水性とはんだ実装の関係は?

FR-4は吸水性があり、吸水した基板をはんだ付け工程で急加熱するとブリスタリング(膨れ)が発生します。はんだ前のベーキング(105℃×2h程度)で水分を除去することが推奨されます。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。