マイクロストリップ線路とストリップ線路の構造・損失比較

概要

株式会社フォスターでは、高速信号基板のTDR測定・断面解析を実施しており、伝送線路の構造と特性に起因した信号品質問題の評価をサポートしています。

プリント基板の高速信号配線には、マイクロストリップ線路(外層配線)とストリップ線路(内層配線)の2種類が主に使われます。それぞれに放射損失・誘電体損失・EMI特性が異なるため、用途と設計要件に合わせて選択することが信号品質確保の基本です。

マイクロストリップ線路とストリップ線路の構造比較

マイクロストリップ線路は基板外層の信号線と隣接するGND層の間に形成される伝送線路で、上方は空気に接しています。ストリップ線路は両側をGND層に挟まれた内層の配線で、完全に誘電体中に埋め込まれています。

特性マイクロストリップストリップ線路
位置外層(表面)内層(埋め込み)
周囲媒体片側が空気全て誘電体(FR-4等)
実効誘電率約3.5〜4.0(空気混合)約4.2〜4.8(基材のみ)
放射損失あり(外向き放射)ほぼなし(GNDで遮蔽)
EMI相対的に高い低い(シールドされる)
損失比較的低い誘電体損失がやや高い
コスト・実装外層で安価内層で高価(多層必要)

特性インピーダンス設計の違い

マイクロストリップの特性インピーダンスZ₀はW(線路幅)・h(基材厚)・εr(比誘電率)で決まります。ストリップ線路はGNDが両側にあるため計算式が異なります。同じインピーダンス値を実現するには、ストリップ線路ではマイクロストリップより広い線幅が必要です。


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よくある質問

どちらの線路が信号損失が少ないか?

一般的にはマイクロストリップの方が誘電体損失(Df損失)が少ないです。ストリップ線路は全周を誘電体に囲まれるため誘電体損失がやや増します。ただし放射損失はストリップ線路の方が低いです。

差動ペア配線ではどちらを使うか?

高速差動信号(USB・PCIe・LVDS等)ではストリップ線路が推奨されます。GND遮蔽によりEMI抑制・クロストーク低減に優れるためです。

マイクロストリップの実効誘電率はなぜ空気と基材の中間値になるか?

電場が基材と空気の両方に分布するためです。準TEMモードの電磁場が基材上面と空気を貫くため、実効的な誘電率は両者の混合値(加重平均的)になります。

表皮効果とはんだ実装ビアはインピーダンスに影響するか?

影響します。ビア部分はインピーダンス不連続点となり、高周波での反射を生じます。TDR測定でビア部の反射を確認し、スタブカットや反射補正設計が必要な場合があります。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。