概要
株式会社フォスターでは、コネクタ端子の挿抜耐久試験・振動試験を実施しており、繰り返し荷重による疲労破壊の予兆評価と寿命推定に対応しています。
疲労破壊とは、静的には破断しない低い応力の繰り返しによって亀裂が発生・進展し最終的に破断する現象です。コネクタの端子ばねは挿抜のたびに曲げ荷重を受け、接触荷重維持のために常時ばね力を保持します。S-N曲線(応力振幅S vs. 繰り返し数N の対数グラフ)を使って疲労寿命を設計段階で予測することが重要です。
S-N曲線の読み方と疲労限度
S-N曲線は縦軸に応力振幅(または最大応力)、横軸に繰り返し数Nを対数でプロットします。応力振幅が低いほど破断までの繰り返し数が増加し、ある応力振幅以下では理論上無限回数繰り返しても破断しない「疲労限度(疲労限)」が存在する材料があります(炭素鋼など)。銅合金にはほぼ疲労限度がありません。
| 材料 | 疲労限度の有無 | 10⁷回での疲労強度/引張強度比 | 設計への影響 |
|---|---|---|---|
| 炭素鋼 | 有り(明確) | 約0.4〜0.5 | 疲労限度以下で設計すれば無限寿命 |
| アルミ合金 | 有るが不明確 | 約0.3〜0.4 | 繰り返し数を指定して設計 |
| リン青銅(端子用) | 基本的になし | 約0.2〜0.4 | 挿抜回数に対して疲労強度を確認 |
| ベリリウム銅 | 基本的になし | 約0.3〜0.45 | 高疲労強度だが設計繰り返し数確認 |
コネクタ端子の疲労設計ポイント
コネクタ端子ばねは挿抜のたびに最大ひずみ点でのブランク曲げを受けます。設計寿命(例:25回挿抜)に対してS-N曲線から許容応力振幅を確認し、ランス・スプリング部の最大応力が許容値以下になるように形状設計します。ノッチ(切り欠き)・鋭いエッジは応力集中係数Ktを高め疲労強度を低下させます。
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よくある質問
平均応力が疲労強度に与える影響は?
引張平均応力が大きいほど疲労強度は低下します(Goodman線図・Gerber放物線で評価)。圧縮平均応力は逆に疲労強度を向上させます。ショットピーニングはこれを利用した表面改質技術です。
表面粗さが疲労強度に影響するか?
大きく影響します。表面粗さRaが粗いほど応力集中が生じ疲労強度が低下します。プレス成形端子ではせん断端面の品質管理が重要です。
振動による疲労と挿抜による疲労は独立か?
独立ではありません。マイナー則(線形累積損傷則)を用いて振動疲労と挿抜疲労の損傷をそれぞれ換算し、合算した累積損傷率が1を超えないことを確認します。
疲労き裂の観察方法は?
SEMでの破面観察が最も有効です。疲労破面にはストライエーション(貝殻状縞模様)が観察され、き裂進展速度の推定にも使えます。
株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。
