概要
株式会社フォスターでは、コネクタ端子・ランスの変形評価を含む機械強度試験を実施しており、弾性・塑性変形の境界評価に基づいた不具合解析を行っています。
材料に力を加えた際、力を除去すると元の形状に戻る変形を「弾性変形」、元に戻らない変形を「塑性変形」といいます。コネクタ設計では、通常使用・挿抜操作で弾性域内に収まることが信頼性の基本要件です。塑性変形が生じると端子スプリングバックの喪失・ランスの恒久変形・保持力低下が発生します。
耐力(降伏応力)の定義とS-S曲線
弾性変形と塑性変形の境界は「降伏点(耐力)」または「0.2%耐力(σ0.2)」で定義されます。0.2%耐力は残留ひずみ0.2%に対応する応力であり、明確な降伏点が現れない材料(銅合金・アルミ合金など)で使用されます。
| 材料 | 耐力(MPa)目安 | ヤング率(GPa) | 設計上のポイント |
|---|---|---|---|
| リン青銅(C5210 H) | 500〜700 | 約115 | 端子ばね設計の基準 |
| ベリリウム銅(C1720 AT) | 900〜1200 | 約130 | 高耐力・低クリープ |
| 鉄(炭素鋼) | 約200〜400 | 約206 | 明確な降伏点あり |
| PA66-GF30 | 約130〜160(引張強度) | 約10 | 樹脂は降伏が不明確 |
コネクタ設計での弾性設計の重要性
コネクタランスは挿入操作のたびに撓まされますが、設計上の最大撓み量での応力が耐力以下に収まることが求められます。挿抜耐久試験(例:25回・100回挿抜)後にランスが永久変形していないことが合格条件の一つです。
端子ばねも同様で、嵌合後の接触圧力が弾性域内に収まっていることが長期接触信頼性の前提です。
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よくある質問
0.2%耐力と引張強度の違いは?
0.2%耐力は塑性変形が始まる応力、引張強度は最大応力(破断前の最大荷重/断面積)です。設計では耐力を基準に安全率を設けます。
ランスが塑性変形したかどうかどう確認するか?
挿抜耐久試験後に端子保持力を測定し、初期値と比較します。また三次元測定機でランス形状を測定し、永久変形量を定量評価します。
樹脂の耐力はどう定義するか?
樹脂は明確な降伏点がない場合が多く、引張試験の「ひずみ2%時の応力」や「比例限界応力」を弾性設計の基準として使います。
繰り返し荷重での耐力変化は?
繰り返し荷重では加工硬化(耐力上昇)または疲労累積(強度低下)が起きます。コネクタ端子では主に後者の疲労管理が重要です。
株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。
