概要
株式会社フォスターでは、コネクタ端子・ハウジングの挿抜力・保持力評価を通じて、材料剛性に起因した設計不具合の解析を実施しています。
ヤング率(縦弾性係数)は材料の剛性を表す最も基本的な物性値であり、応力(σ)とひずみ(ε)の比として定義されます。コネクタ設計においては、端子の接触力・ランスの保持力・ハウジングの変形量すべてにヤング率が直接影響します。材料を変更する際には必ずヤング率の変化を設計に反映させる必要があります。
ヤング率の定義と計算式
ヤング率Eは、弾性域における応力σとひずみεの比 E = σ/ε で定義されます。単位はGPa(ギガパスカル)で、材料固有の定数です。
引張試験(JIS K 7161など)によるS-S曲線の初期直線領域の勾配から求められます。
| 材料 | ヤング率(GPa) | 特徴 |
|---|---|---|
| 鋼(炭素鋼) | 約206 | 高剛性・高強度 |
| 銅合金(リン青銅) | 約110〜130 | コネクタ端子に多用 |
| アルミ合金 | 約70 | 軽量・中剛性 |
| PA66-GF30 | 約9〜12 | 樹脂中では高剛性 |
| PBT-GF30 | 約10〜12 | コネクタハウジング標準 |
| PPS-GF40 | 約14〜17 | 高剛性・高耐熱 |
| PA66(無充填) | 約2〜3 | 柔軟・成形性良好 |
コネクタ設計でのヤング率の活用
コネクタのランス(端子保持爪)は片持ち梁として解析できます。撓み量δ = FL³/(3EI) の式から、ヤング率Eが剛性に直接影響することがわかります。材料変更時にはE比に応じてランス断面形状の再設計が必要です。
端子ばねの接触力も同様にヤング率依存であり、GFグレードへの変更や温度変化によるE値の変動を見込んだ設計マージンの確保が重要です。
関連する試験
関連するページ
よくある質問
ヤング率と硬さは同じか?
異なります。ヤング率は弾性変形の抵抗(剛性)を表し、硬さは局所的な塑性変形抵抗を表します。高ヤング率でも硬さが低い材料(鉛など)は存在します。
温度でヤング率はどう変わるか?
多くの材料で温度上昇とともにヤング率は低下します。樹脂ではTg付近で急激に低下(1/10以下になることも)するため、高温設計では注意が必要です。
GF充填でヤング率はどの程度変わるか?
PA66にGF30%を添加するとヤング率は無充填(約3GPa)から約10GPaに向上します。ただし繊維配向の異方性が生じます。
ヤング率の測定方法は?
JIS K 7161(プラスチック引張試験)、または超音波パルス法による非破壊測定が一般的です。小型部品には共振法も使われます。
株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。
