概要
株式会社フォスターでは、コネクタ・ハーネスの振動試験・挿抜耐久試験を実施しており、マイナー則を用いた累積疲労損傷評価をサポートしています。
マイナー則(線形累積損傷則)は、異なる応力振幅の繰り返し荷重による疲労損傷を累積する方法です。S-N曲線から各応力振幅での破断繰り返し数Niを求め、実際の繰り返し数niとの比ni/Niを全ての応力振幅で合算した値(累積損傷率D)が1に達したときに破断するとします。車載振動のようなランダム荷重の疲労寿命評価に不可欠な手法です。
マイナー則の計算式と適用手順
累積損傷率D = Σ(ni/Ni)。D ≥ 1で破断と判断(マイナー則)。手順:①路面データから応力スペクトル取得 → ②S-N曲線で各応力振幅のNiを読む → ③実際の繰り返し数niを計数(レインフロー法等)→ ④D = Σ(ni/Ni)を計算 → ⑤D < 1を設計目標とする(通常D < 0.3〜0.5の設計余裕を確保)。
| 応力振幅Si(MPa) | 破断繰り返し数Ni(S-N曲線) | 実際の繰り返し数ni | 損傷寄与ni/Ni |
|---|---|---|---|
| 300 | 10,000 | 100 | 0.01 |
| 200 | 100,000 | 2,000 | 0.02 |
| 150 | 500,000 | 10,000 | 0.02 |
| 100 | 5,000,000 | 100,000 | 0.02 |
| — | — | 累積損傷率D = | 0.07(余裕十分) |
マイナー則の限界と修正マイナー則
マイナー則は荷重印加順序の影響を考慮しません。実際には高応力→低応力の順で印加すると疲労損傷が早く進行(D<1で破断)し、逆順では遅くなる場合があります。修正マイナー則(D = 0.3〜0.7で破断と設定するなど)や確率論的疲労設計で実態に近い評価が得られます。
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よくある質問
レインフロー計数法とは何か?
ランダム時系列応力波形から荷重サイクルを抽出する方法です。「雨垂れ」のような経路をたどって応力範囲と平均応力を組ごとに計数します。マイナー則と組み合わせて疲労寿命予測に使います。
PSDデータから疲労寿命を計算するには?
パワースペクトル密度(PSD)からRMS応力・クレスト因子を求め、Rayleigh分布やRice式を使って応力振幅の統計的分布を推定し、マイナー則で累積損傷率を計算する方法(周波数域疲労解析)があります。
マイナー則でD=1より早く破断することはあるか?
はい。実験では D = 0.3〜0.7程度で破断するケースも報告されています。特に引張平均応力・応力集中部・腐食環境では破断が早まります。設計では安全側にD < 0.3〜0.5を目標とします。
コネクタの挿抜耐久と振動耐久は独立に評価すべきか?
厳密には相互に影響します。挿抜による表面摩耗・微小変形の後に振動耐久試験を実施することで、複合的な損傷評価ができます。JASO D014や LV124では試験順序の指定があります。
株式会社フォスターについて
株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。
