固有振動数と共振で起きる構造破壊と設計回避

概要

株式会社フォスターでは、コネクタ・ハーネスの振動試験(正弦波・ランダム振動)を実施しており、共振による端子接触不良・ハウジング破損の評価に対応しています。

固有振動数(固有周波数)とは、外力がなくても物体が自然に振動する周波数のことです。外部から加わる振動の周波数が固有振動数と一致すると「共振」が生じ、振動振幅が急増します。車載環境でのエンジン振動・路面振動は広い周波数成分を持つため、コネクタの固有振動数が偶然一致した場合に構造破壊が起きます。

固有振動数の計算式と構造への影響

最も単純な1自由度振動系の固有振動数はfn = (1/2π)√(k/m) で表されます。kはばね定数(剛性)、mは質量です。軽量化・高剛性化で固有振動数を高め、問題のある励振周波数域から回避することが設計の基本です。

対策方向方法効果
固有振動数を高める剛性を上げる(GF充填・リブ追加)共振域を高周波側へシフト
固有振動数を高める質量を減らす(薄肉・軽材料)共振域を高周波側へシフト
固有振動数を下げる質量を増やす(ダンパー追加)共振域を低周波側へシフト
減衰を高める粘弾性材・制振材を付加共振ピークの振幅を抑制

車載コネクタで発生する振動不具合

端子のフレッティング腐食は微小振動(共振による微小摺動)が主因の一つです。また、コネクタハウジングの共振によるランス亀裂・端子接触部の断続的な電気的不連続(瞬断)も問題となります。振動試験(JASO D006・ISO 16750-3)では掃引正弦波で共振点を検出した後、その周波数での耐久評価を行います。


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よくある質問

固有振動数と共振周波数は同じか?

減衰がない理想系では一致しますが、実際の構造では減衰の影響で共振周波数は固有振動数より若干低くなります。実用上はほぼ同じとして扱う場合が多いです。

エンジン車のコネクタが注意すべき周波数帯は?

エンジン振動の基本周波数は4気筒で約100〜200Hz、路面不整は〜50Hzが主成分です。車載コネクタはこの範囲での共振を避ける設計が求められます。

共振を発見するための試験方法は?

掃引正弦波加振試験で周波数を変えながら加速度を測定し、振幅が最大になる周波数を共振点として特定します。レーザードップラー振動計も有効です。

GF充填樹脂は振動対策に有効か?

有効です。GF充填により剛性(ヤング率)が高まり固有振動数が上昇します。ただし脆性も上がるため衝撃荷重との両立が設計課題です。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。