応力とひずみの基本|SS曲線の読み方と材料強度設計

概要

株式会社フォスターでは、コネクタ部品の機械強度評価試験を実施しており、材料の応力-ひずみ特性に基づいた設計不具合解析をサポートしています。

応力(σ)とひずみ(ε)は材料力学の最も基本的な概念であり、コネクタの接触力設計・ランス強度計算・はんだ接合強度評価すべての基礎となります。S-S曲線(応力-ひずみ曲線)を正しく読むことで、材料の弾性域・塑性域・破断点を把握し、安全で信頼性の高い設計が可能になります。

応力とひずみの定義

応力σ = F/A(力÷断面積、単位:Pa=N/m²)、ひずみε = ΔL/L₀(変形量÷元の長さ、無次元)で定義されます。弾性域ではσ = Eε(フックの法則)が成立し、この比例係数がヤング率Eです。

S-S曲線上の領域特徴コネクタ設計での意味
線形弾性域σ-ε比例(フックの法則)通常動作範囲・設計基準領域
非線形弾性域比例しないが可逆マージン域・避けるべき
降伏後(塑性域)荷重除去後に永久変形ランス変形・スプリングバック喪失
引張強度(UTS)最大荷重点ネッキング開始点
破断点材料破断過剰荷重・不具合の最終形態

異なる材料タイプのS-S曲線の違い

金属(軟鋼)は明確な上降伏点・下降伏点を持ちますが、銅合金・アルミ合金では滑らかに塑性域に移行します。樹脂は温度依存性が大きく、低温では脆性的、高温では延性的なS-S曲線を示します。これらの違いが試験温度条件の設定根拠となります。


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よくある質問

工学応力と真応力の違いは?

工学応力は初期断面積Aで計算しますが、変形後の断面積A’で計算したものが真応力です。大変形では両者が大きく乖離し、FEA解析では真応力-真ひずみを使います。

はんだ接合のS-S曲線で注意すべき点は?

SAC305はんだは室温でも融点の約50%の温度(約0.5Tm)にあり、クリープ変形が支配的です。静的S-S曲線だけでなく、ひずみ速度依存性の評価が重要です。

SEM断面観察でひずみを確認できるか?

塑性変形した金属ではグレインの変形(elongated grain)や転位密度の増加をEBSD(後方散乱電子回折)で観察できます。ただし通常のSEM-SEI観察では確認が困難です。

圧縮応力の評価が必要なコネクタ部位は?

コネクタシール(ゴム・TPE)は圧縮応力で密封性を確保します。圧縮永久ひずみ(圧縮セット)評価でシールの長期密封性を評価します。


株式会社フォスターについて

株式会社フォスターは三重県に拠点を置き、自動車部品(コネクタ・ハーネス・圧着端子)の受託試験を中心に20年以上の実績を有しております。環境試験、電気特性試験、機械的特性試験など幅広い評価に対応し、お客様の品質保証・開発をサポートしています。